「つながりにくい」をなくしたい。お客さまの声が通信品質改善への道しるべ

KDDIでは、スマホを快適にご利用いただくために、通信速度やエリアなどのさまざまなデータを基にした改善活動に加え、データだけでは捉えきれない、「つながりにくい」「通信が遅い」といったお客さまの声を通じた、通信の体感品質の維持・向上に取り組んでいます。

改善の出発点となる「お客さまの声」

電車の中で動画やネットゲームを楽しんだり、お店でQRコード決済をしたりと、いまや通信は日常生活に溶け込んでいます。通信は社会や生活にとって欠かせない存在になっており、建物内の隅々、地下、電車内にいたるまで、あらゆる場所で快適で安定したネットワークを届けることが求められてきています。

また、街は常に変化しているため、同じ場所であっても月日の経過とともに通信環境も変化していきます。大規模なビルやショッピングモールのオープンや閉鎖、集客力の高いテナントの出店、スポーツや音楽イベントの開催などで人の流れが大きく変わると、想定を超える量の通信が発生し、スマホがつながりにくくなってしまう可能性もあります。そういった事態を防ぎ、お客さまの日常をつなぐため、KDDIでは通信環境の改善や最適化を行っており、その改善の出発点となるのが「お客さまの声」です。

「いま」やる対策と、「未来」に向けた対策を立案

コールセンターなどのカスタマーサービス部門に直接寄せられる声、auショップや販売店経由で届く声、SNS上でのつぶやきに加え、ログデータなども無言のお客さまの声と言えるでしょう。こうしたお客さまの声は、一元的に集約し、分析・改善を行う担当部門へと届けられます。

通信品質改善までのフロー
通信品質改善までのフロー

集約・分析したお客さまの声は、技術部門にも連携され、具体的な改善施策の立案・計画、そして実行へと迅速につながっていきます。

「カスタマーセンター経由でお客さまから頂戴した要望や、膨大なログデータの分析などから、これはすぐに改善した方がよいというものを洗い出しています。通信は現代社会に不可欠なインフラであり、その安定供給は私たちの極めて重要な責務です。この認識のもと、日々お客さまと接しているauショップや量販店のスタッフやKDDIの担当者、実際に改善作業を行う技術部門と連携して、お客さまに迷惑をおかけすることのないよう、一分一秒でも早く解消すべく、品質の安定した通信の実現に向けて迅速な対応を徹底しています」と、担当部門である事業企画部の蓑田 一輝は説明します。

KDDI パーソナル事業戦略本部 事業企画部 蓑田 一輝
KDDI パーソナル事業戦略本部 事業企画部 蓑田 一輝

「いま」の通信状況改善を担う一方、将来的な通信ネットワークの利用状況を予測し、将来を見据えたエリアの企画も行っています。

事業企画部の定 知生は、「お客さまの利便性と体感品質を最優先に、未来の通信利用を見据えています。スマホで使用されるアプリやサービスの洗い出しを行い、今後重要となるエリアや将来的な使われ方を思い描き、社会全体の変化を高い精度で予測するのは極めて困難な挑戦です。そのため、データの分析やお客さまへの調査を通じて、将来における利用動向の予測を丁寧に積み重ねています。この長期的な予測に基づき、社会の急速な変化や多様化するニーズにも柔軟に対応できるよう、常に備えています」と話します。

KDDI パーソナル事業戦略本部 事業企画部 定 知生
KDDI パーソナル事業戦略本部 事業企画部 定 知生

例えば、KDDIは5Gのエリア展開を進めるにあたり、鉄道路線や商業地域に力を入れてきました。

「これはお客さまが普段使いする場所でこそ、エリアの品質が大切だと考えたからです。現在、駅や電車の中、商業地域のお店などで、多くの方がスマホを使われている姿を見ると、日常をつないでいく重要性を改めて感じます」(定)

沿線の通信状況の調査をする様子
沿線の通信状況の調査をする様子

さまざまな手法を組み合わせて通信品質を改善

お客さまから届けられる改善の要望はさまざまです。まずは、問題となっている事象が、ネットワークが原因なのか、端末あるいはアプリやサービスの不具合なのかを切り分ける必要があります。

ネットワークの通信品質の改善は、さまざまな手法を組み合わせて行われます。基地局のアンテナの向きや角度を調整することで品質が劇的に向上することもありますし、動作や性能に関する設定値の微調整による改善は毎日のように試行錯誤します。こうした取り組みでは1~2週間ほどで通信環境を改善することができますが、既存基地局への新たな機器の設置や基地局の新設などは数カ月から1年以上を要することもあります。

観光地の通信エリア対策の様子
観光地の通信エリア対策の様子

地道な取り組みが成果に結びついた好例が鎌倉市です。鎌倉市では、スマホを使って写真や動画を撮影・配信しながら観光する旅行客が急増していました。基地局を増やしてエリアを強化する方法もありますが、都市景観条例を遵守しながら基地局を増やすということが難しく、通信品質改善は困難を極めました。そこで、基地局の設置に向けて、建物を管理している不動産会社と綿密な調整を重ね、美しい鎌倉の街並みを守りながら通信品質の向上を実現しました。

多くの旅行客で賑わっていても快適にスマホが利用できる
多くの旅行客で賑わっていても快適にスマホが利用できる

「KDDIはお客さまのニーズや社会動向の変化に敏感に捉え、データ通信ができなくなるパケ止まりの対策や、人の密集する場所への5G(Sub6*1)の展開を推進してきました。より良いサービスをお届けするためには、社内外との協力・共創が欠かせません。お客さまの声に耳を傾け、データやログを分析し、関係者と議論を重ね、通信品質の向上に努めてきました」(蓑田)

世界1位の評価を糧に、「どこでもつながる」未来を拓く

こうした改善活動の1つの成果が、グローバル分析会社Opensignal社が2025年2月27日に発表した「グローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2025」で、ネットワークへの接続性を総合的に評価する「信頼性エクスペリエンス」の世界最高評価を獲得したことです。動画、音声アプリでの通話、ウェブ閲覧の際に良好なユーザー体感を維持し、中断する事なくタスクを完了するできる能力を評価されました。

さらに、 モバイル・ボイス・アプリ/モバイル・ゲームでのユーザー体感を測定する「音声アプリ・エクスペリエンス」「ゲーム・エクスペリエンス」で世界1位*2を受賞し、世界的にも高い評価を獲得しています。

そして、さらなる体感品質の向上に向けた取り組みの一つとして、生成AIの活用を推進しています。

「これまでのやり方や人力だけでは解決できない領域がたくさんあるはずです。業務に生成AIを取り入れることで、従来は汲み取りきれなかった潜在的ニーズの早期発見や問題解決につなげたいと考えています」(蓑田)

「ネットワーク品質向上の取り組みに終わりはありません。スマホのユースケースは変化し続けます。通信の体感品質を維持・向上するには、社会がどのように変化していくか、私たちは常に未来志向で考え続けていきます」(定)

KDDIは、「日常をつなぐ・非日常をつなぐ・空が見えればどこでもつながる」を目指し、これからもお客さまの「つながる」を実現し続けるために取り組みを加速していきます。

*1 Sub6とは5Gの高品質な(高速・大容量・低遅延)通信に寄与する周波数帯のうち3.7GHz帯/4.0GHz帯/4.5GHz帯の通称。一部エリアで提供。
*2 2025年2月27日Opensignal発表「グローバル・モバイル・ネットワーク・エクスペリエンス・アワード2025」では、通信事業者は、Large land areaグループとSmall land areaグループに分類され評価されています。Large land areaグループは、土地面積あたり200,000km2以上の国・地域における通信事業者で構成。Small land areaグループは、土地面積あたり200,000km2未満の国・地域における通信事業者で構成されています。KDDIのグローバル・アワード受賞結果はLarge land areaグループに基づいたものです。
信頼性エクスペリエンス:通信サービス・プロバイダのネットワークに接続し、タスクを完了する能力を評価する指標

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